社内バックアップに、離れた場所から復旧するための備えを。
顧客情報、会計データ、見積書、設計図。会社の大切な業務データが失われると、日々の仕事やお客様への対応に支障が生じます。
機器を買い替えるだけでは、失われたデータは戻りません。事業を継続・再開するには、データを復旧できる備えが必要です。遠隔バックアップは、事業継続計画(BCP)を支えるデータバックアップの一つです。
社内にバックアップNASがあれば、メインNASの故障や誤削除が起きても、保存されたバックアップから復旧できる場合があります。
ただし、同じ建物やネットワーク内にある機器は、同時に被害を受ける可能性があります。
• 火災・浸水:元のデータとバックアップの両方を失うおそれがあります。
• 盗難:同じ建物にある機器が、まとめて持ち去られるおそれがあります。
• ランサムウェアなどのサイバー攻撃:社内の複数の機器が被害を受け、バックアップまで利用できなくなることがあります。
大切なのは「バックアップがあるかどうか」だけでなく、「どこに保存されているか」です。
同じ拠点内のメインNASとバックアップNASが、まとめて被害を受けるイメージ。
遠隔バックアップとは、会社とは異なる場所にデータのコピーを保存する方法です。社外バックアップとして、社内だけでは対応しきれない被害に備えます。
会社側の機器や建物が被害を受けても、別の場所に利用可能なバックアップが残っていれば、そこからデータを復旧し、業務再開につなげられます。
まずは「失っては困るデータ」と「どの時点まで戻せれば業務を再開できるか」を整理しましょう。
株式会社コンパスでは、お客様が所有するSynology NASを会社とは異なる場所に設置し、社内バックアップと併用する構成を推奨しています。
【社内バックアップ|日常的な障害への備え】
会社:メインSynology NAS
↓ バックアップ
会社:社内バックアップNAS
メインNASの故障や誤削除など、日常の障害からの復旧に備えます。
【遠隔バックアップ|拠点全体の被害への備え】
会社:メインSynology NAS
↓ インターネット経由でバックアップ
会社とは異なる場所:Synology NAS
会社全体が被害を受ける事態に備えます。設置先は、会社と同じ災害で被害を受けにくい場所を選びます。
左:会社のメインSynology NASと社内バックアップNAS。右:会社とは異なる場所のSynology NAS。社内への保存と、インターネット経由の遠隔バックアップを併用する構成例です。
離れた場所に保存していても、不正アクセスによってバックアップが消される可能性はあります。ランサムウェア対策としても、保存場所を分けることに加え、保護と確認を組み合わせることが大切です。
【バックアップを守るための備え】
• アクセス権限の分離:元のデータとバックアップ先のアクセス権限を分けます。
• 通信の保護:バックアップデータをやり取りする通信を保護します。
• 世代管理:過去の状態を残し、必要な時点のデータを取り出せるようにします。
【復旧できる状態を保つための確認】
• 正常終了:バックアップが正常に完了しているかを確認します。
• 最終成功日時:最後に成功したバックアップがいつのものかを確認します。
• 空き容量:保存先の容量に余裕があるかを確認します。
• 復元テスト:定期的にデータを取り出し、実際に復旧できるかを確かめます。
「バックアップを取っている」だけでなく、必要なときに復旧できる状態を維持しましょう。
Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを、会社外へのバックアップ先として利用する方法もあります。長期的なBCPバックアップの保存先を選ぶ際は、仕組みと継続費用を含めて検討することが必要です。
【APIは、クラウドサービスの「受付窓口」】
NASのバックアップソフトは、APIという仕組みを使い、「ファイルを保存してください」「保存済みのファイルを確認してください」といった依頼を自動で繰り返します。APIは、ソフト同士が決められたルールに従って依頼と結果をやり取りする、受付窓口のようなものです。
【処理の制約と、接続状況の確認】
この窓口には、一定時間内のリクエスト数(依頼の回数)などに制約が設けられている場合があります。短時間に処理が集中すると、バックアップが待機したり、エラーで停止したりすることがあります。
転送量に関する制限や、クラウド事業者側の仕様変更の影響を受ける場合もあります。ただし、接続エラーの原因が必ずAPI制限とは限らず、個別の確認が必要です。
【継続的な利用料金】
保存容量に応じた利用料金が継続的に発生し、データ量の増加によってランニングコストが上昇する場合があります。
【株式会社コンパスの方針】
API利用上の制約、接続の安定性、将来的な仕様変更、継続的な利用料金を総合的に考慮し、当社ではGoogle DriveやDropboxなどの一般的なクラウドストレージを、長期的なBCPバックアップの標準的な保存先としては推奨しておりません。
これはクラウドストレージそのものを否定するものではなく、長期的なBCPバックアップの保存先についての方針です。会社外へのバックアップには、お客様が所有するSynology NASを会社とは異なる場所に設置する構成を推奨しています。
クラウド利用時の通信制約・処理待ち・継続費用のイメージ。接続エラーの原因が必ずAPI制限とは限らず、個別の確認が必要です。
左:NAS。中央:APIの「受付窓口」を表すイメージ。右:クラウドストレージ。バックアップソフトが窓口に保存や確認を依頼します。
会社側のSynology NASで動作するHyper Backupから、会社とは異なる場所に設置したSynology NASのHyper Backup Vaultへ、データをバックアップします。
会社側:Synology NAS/Hyper Backup
↓ インターネット経由で転送
会社とは異なる場所:Synology NAS/Hyper Backup Vault
Google DriveやDropboxのAPIを経由しないため、これらのクラウド事業者が定めるAPI利用回数制限の影響を受けません。外部クラウドの受付窓口に代わり、お客様が所有するNASが受け取り先になります。
これは、NAS間の通信にAPIなどの仕組みが一切ないという意味ではありません。
インターネット回線の速度や障害、NASの処理能力、保存先の空き容量、ソフトウェアの不具合などの影響は受けます。Synology NAS間の遠隔バックアップでも、バックアップ状況の確認は引き続き必要です。
遠隔バックアップのご質問や、構成提案・お見積もりのご依頼は、株式会社コンパスへお気軽にお問い合わせください。保守契約の有無にかかわらず、ご相談を承ります。
• 今のバックアップで十分なのか確認したい
• 会社とは異なる場所へのバックアップを検討したい
• 現在使用しているNASの構成を確認してほしい
• 必要なNASやHDD容量を知りたい
• 導入費用や初期設定費用を知りたい
現在お使いのNAS、保存データ容量、通信環境、会社とは異なる場所の設置候補などを確認したうえで、お客様に合ったNAS構成・HDD構成・バックアップ方法・設置・初期設定費用をご提案します。
導入後のバックアップ状況確認についても、確認内容、頻度、対応範囲、費用を含めてご相談いただけます。検討を始めた段階でも結構です。まずは現在のご利用状況やご希望をお聞かせください。